ビジネス

越後湯沢がアジア屈指のスキーリゾート地になる可能性を指摘

 少子高齢化と人口減少が深刻な問題だと言われて久しいが、先日、豊島区を含む896市区町村が人口が減少して2040年には消滅する可能性があるとの試算が発表され、波紋が広がっている。数多い消滅可能性都市が生き残るには、リゾート開発という手立てがあると大前研一氏は提案する。

 * * *
 出産年齢の中心である20~39歳の若年女性が半減することにより、全国1800自治体の半分にあたる896市区町村が2040年に「消滅」の危機に直面する──という衝撃的な試算を、有識者らでつくる民間組織「日本創成会議」の人口減少問題検討分科会が発表した。

 人口減が止まらない「消滅可能性都市」は全国にくまなくあるので、このままでは日本の地方自治体が崩壊するのは時間の問題である。もはや打つ手はないのか? 否、まだ手立てはある。その一つが「リゾート開発」だ。

 世界を見渡すと、海外からの観光客で賑わっているリゾート地は数多い。たとえば、インドネシアのバリ島、オーストラリアのハミルトン島やヘイマン島、カナダのウィスラー&ブラッコム、スイスのサンモリッツ、オーストリアのアールベルクなどである。日本でも北海道のニセコは外国人に大人気だ。

 世界、とりわけアジアの富裕層は日本が大好きだ。治安が良くて料理が美味しく、風光明媚な山々や温泉、沖縄の瑚礁をはじめとする美しい海などの観光資源も豊富だからである。彼らをいかにして日本のリゾート地に呼び込むかが、今後の地方振興・地域活性化のカギとなる。

 ところが日本の場合は、かつて賑わった観光地ほど今は閑古鳥が鳴いている。その象徴が新潟県の越後湯沢だ。上越新幹線で東京から1時間半足らずの越後湯沢はスキー客でごった返した時期もあったが、未だにリゾート地としては中途半端で魅力がない。

 また、冬以外のシーズンは訪れるメニューが全く見当たらない。このため、バブル崩壊やスキー人口減少の影響もあって、100棟以上建設されたマンションの大半は入居者のいないゴーストハウスになってしまい、1室50万~550万円前後で売りに出されている。スキー客が減った結果、周辺にある20か所のスキー場も次々に潰れ、町は寂れる一方だ。

 もはや越後湯沢に希望はないのかと言えば、全くそんなことはない。この町をアジアの一大リゾート地に再生することは十分可能だと思う。

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン