こうした安定性や今までにない操縦性などを武器に、「二輪免許を持っていなかった若者や女性たちの需要も掴みたい」(前出の広報担当者)と鼻息の荒いヤマハ発動機だが、バイクの人気再燃を実感するまでには、幾多のハードルが立ち塞がる。
「本来、バイクは手軽な乗り物なのに、保険料は高いし2015年度からは税金(軽自動車税)も上がります。そもそも、50ccを超える二輪車の免許取得は容易ではありませんし、購入して街に出掛けても駐車禁止の規制がありすぎて停めることすらままなりません。
バイクを取り巻く日本の道路環境や規制の枠組みを変えない限り、バイク人気が完全復活するとは思えません」(前出・井元氏)
経済産業省は昨年、2020年までに国内のバイク販売台数を100万台まで回復させるという政策目標を掲げた。しかし、いくらメーカーが魅力ある商品を開発しても、国が自由に乗り回せる環境を整えない限り、バイク離れの汚名は返上できないだろう。