この時期には、Vシネ界の隆盛により、すでに名の知られた有名女優も次々と参戦した。武田久美子(45)もそのひとり。圧巻は、『内閣特務捜査官 ORDER』(1997年)で演じた濡れ場だ。ベッドの上で西岡徳馬に後ろから胸を鷲掴みされながら何度もキスを求められたかと思えば、その後は西岡に馬乗りになって腰を前後させる艶めかしいシーンを演じている。
Vシネ史上最高の「お宝映像」とされているのが、当時缶コーヒー「ジョージア」のCMでブレイクしていた飯島直子(46)の『Zero WOMAN 警視庁0課の女』(1995年)。美しいバストの上を水が滴り落ちてゆくシャワーシーンが話題を集めた。
さらに東映ビデオは夏樹陽子(61)、宮崎ますみ(46)を、ハードエロスシリーズ『XX』に相次いで起用。こちらも過激なヌードシーンが話題を呼んだ。
1997年には藤原紀香(43)もコメディ作品『あやまり屋稼業』でハイレグ水着を披露。大ブレイク直前のグラマラスボディを見せつけた。藤木氏がいう。
「Vシネの濡れ場の魅力は、ロマンポルノの流れを汲むストーリー性です。エロスの中に、文学が存在しているんです。直接的な行為表現だけではなく、内面からにじみ出る色香をどう表現するか。時代に名を残した女優は、その能力に長けていたといえます」
※週刊ポスト2014年7月11日号