「NDD方式は、近年、世界的に採用するFX会社が増えてきました。これは『投資家とFX会社がフェアでありたい』という意識が高まったためだと考えています。すでに国内でも数社が採用しています。
しかし、中にはNDDを謳いながらも、複数のカバー先と接続し、いったんFX会社側で投資家の注文を受けた後、わずかにタイミングをずらしてカバーする『トリガー』という手法を採っているFX会社も見受けられます。これだと、注文をカバーする際に利益を発生させることが可能となり、ときとして、投資家に対する利益相反を招く可能性があります。本当のNDDとは言い切れないと考えられます」
FX取引はFX会社と投資家の相対取引が主流なだけに、注文から執行までFX会社がどのような方式を採り、どういった手法で利益を得ているのかについて、投資家サイドも理解をしておくことが大切だという。
もちろん、スプレッドの逆転は常時起きているわけではない。日産センチュリー証券の『アクセスFX』は、マイナス幅が最大1.6銭にもなるというが、逆転スプレッドが提示されるのは全取引時間中の0.34%。つまり、逆転スプレッドで取引するためには、つねにレートをチェックしておく必要がある。ただし、競合他社を上回る0.1~0.2銭という「ボーナススプレッド」の提示率は2.46%に達しており、NDD方式の強みが発揮されているといえよう。
スプレッド競争は個人投資家からすると歓迎できる事態だ。しかし、スプレッドばかりに目を奪われていると、知らない部分でコストを支払うことに繋がりかねない。これからのFX会社選びには、FX会社の収益構造を理解し会社を選ぶことが必要になりそうだ。