競技としてのスイカ割りは、目隠しされた人は小学生以下は5メートル、大人は7メートル離れたところに立ち、5回と3分の2回転右回りに回る。1分30秒以内にチームメイト2人のアドバイスを受けながらスイカに近付き、どのくらいきれいに割れるかを競う。
高得点を得るには、スイカを割る人と声かけするメンバーとの連帯感が重要で、正しい位置への誘導がうまく伝わらないとならない。昨年の大会では、チームで声かけの練習を重ねた東根市のチームが優勝した。連携がうまくとれず、スイカを割れないチームは全体の約1割。9割はスイカを割れるが、きれいに棒を振り下ろして割れるチームは限られているそうだ。
メンバーがスイカの位置を伝え、目隠しされた人との動きがかみ合う様子は、観戦する客席からも歓声があがり盛り上がる。チーム内の意思疎通が問われるスイカ割りの妙は、日本スイカ割り推進協会の名誉顧問であるサッカー日本女子代表監督の佐々木則夫氏から、なでしこジャパンの練習にも通じるチーム競技の醍醐味が備わっているとの指摘をうけた。
好評を得て大会は回を重ね、今年も8月3日に尾花沢市で第5回全日本大会が開催され、第2回を迎える東京での大会も、世田谷区のちとふな商店街で8月9日に予定されている。子どもたちのイベントなどにもスイカ割り大会の開催をお願いされることが増え、スイカ離れが嘘のような盛況ぶりだ。
前出の三浦さんは、全国のスイカの生産地でそれぞれスイカ割り大会を行い、ゆくゆくは外国も巻き込んで大会を開きたいという。
「日本には全国にスイカの生産地がありますが、場所によって出荷時期が少しずつ異なります。尾花沢の大玉スイカはシーズンの最後を飾ります。全国のスイカの名産地とスイカ割り大会でつながっていきたい。ゆくゆくは、ワールドカップも開きたいですね」(前出・三浦さん)
日持ちや輸送技術の問題で、まだ輸出入が難しいと言われるスイカは流通しているもののほとんどが国産だ。旬を逃さず、美味しいスイカを楽しく食べたい。