国際情報

米軍慰安婦だった韓国人女性取材応じる 手取りは1晩10ドル

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権は8月15日に向け、相変わらず慰安婦問題で日本批判を繰り広げている。だが、それは天に唾する行為だ。父・朴正熙(パク・チョンヒ)が大統領だった時代から長らく在韓米軍基地周辺で「性奴隷」として働かされた韓国人女性の存在が明らかになりつつある。「米軍慰安婦」たちが本誌に重い口を開いた。

 ソウルから北へ約40キロ。38度線にほど近く、キャンプ・ケイシーをはじめとする米軍基地がある東豆川(トンドゥチョン)市内の某所で、2人の韓国人女性が本誌の取材に応じた。

 一人はカン・ソクジュさん(56、仮名)。小柄だが、低く太い声の持ち主で、少し早口で話す。

「1979年の9月から1993年まで、私はここ東豆川の『基地村』で働いていました。米兵相手にお酒を飲ませる米軍クラブでしたが、給料は安く、お店でお酒の相手をしているだけではとても生活できません。だから、米兵たちの誘いに応じて売春していたんです」

 彼女のいう「基地村」とは、1953年の朝鮮戦争休戦後に米軍基地の周辺にできた売春街を指す。

 隣に座るユン・ヨンスさん(56、仮名)も同様に1988~90年に東豆川にある別の米軍クラブで働き、体を売っていたと告白する。

「私は米軍クラブのオーナーの指示に従って売春していました。当時の韓国人は貧しかった。だからそうするしかなかった」

 当時を一つ一つ思い出すように、ユンさんはゆっくりと丁寧に話した。

 彼女たちのような基地村で売春していた女性は「米軍慰安婦」と呼ばれる。韓国では1961年に淪落行為等防止法が成立して性売買が禁止されたが、翌1962年、政府は全国104か所の「特定地域」を指定。法による取り締まりの適用外とした。つまり「政府公認の売春特区」を作ったのだ。

 1971年に基地村を取材した経験を持つ元朝日新聞ソウル特派員のジャーナリスト・前川惠司氏が説明する。

「米軍慰安婦は外貨を稼ぐ存在として政府に重宝され、『洋公主(ヤンコンジュ)』(外国人にサービスするお姫様という意)とも呼ばれました。基地村では昼間からジャンパー姿の女性が米兵に声を掛け、女衒(ぜげん)と女性と米兵の3者が値段交渉していました。基本的に女性は客を選べず、買われれば断われなかった」

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン