世のおじいちゃん、おばあちゃんというものは、とにかく孫がかわいくて、どんどん甘やかしてしまうもの。しかし、そんな過剰な愛情が必ずしもプラスに働くというわけでもない。神奈川県のガソリンスタンド経営・Uさん(60才)の奥様は、孫をかわいがりすぎて、おかしなことになってしまったという。
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そりゃオレだって孫はかわいいさ。でも、カミサン(57才)の場合は、猫かわいがりを通り越してる。
11才の孫が玄関をガラッと開けたとたん、「お腹空いてない?」から始まる。そのあと、「クッキー食べな」「ケーキを食べな」「すいか切ろうか」と、ずーっと。
孫はといえば、カミサン側の系統を受け継いだみたいで、出せば出すだけ食べる。
それにしても、この前はひどかった。息子が結婚記念日に夫婦で旅行に出かけたいというから、孫を2泊預かったんだよ。
前日にカミサンが、「何食べたい?」って電話で聞いてたときから危ないと思ったんだ。「ハンバーグと、ぎょうざとラーメンと、オムライス?」と、最初は覚えようとしていたカミサンも、途中から「書いて」とオレにメモを取らせて、「唐揚げと、カレーと、デザートにケーキと、プリンと、メロンも」と復唱。
カミサンの野郎、そのメニューを一食で出したんだぜ。「残したら、残したでいいじゃない。食べたいものを食べさせてあげようよ」と次から次に。
テーブルいっぱいに並んだ脂っこい料理を、孫は無言ですごい勢いで食べる。するとカミサンは、これ以上の幸せはないって顔してまた作る。
案の上、孫は2日で3kg増量! 迎えにきた嫁は変わり果てた子供を見て、あ然。
小声で息子に「次回からはうちの実家に預けよう」って耳打ちするのを、オレは聞き逃さなかったよ。
うん。オレ、食べさせたがりのカミサンを止める自信がないもん。そのほうがいいと思う。
※女性セブン2014年8月21・28日号