共働き世帯が増え、団塊世代が会社をリタイアし、“家事デビュー”する夫が増えている。60代以上の約6割が退職後の家事の分担が増えたというが、この傾向は新たな“家庭内紛争”を引き起こしている。その半数以上が妻から「家事ハラ」を受けているというのだ。
そこで本誌は30代から70代まで、各世代約100人ずつ、合計約500人の既婚男女を対象に緊急アンケートを実施した。
すると、「洗い物」でぶつかり合うケースが多いことが分かったが、洗い物に次いでバトルが起きるのは「料理」。妻に手料理をふるまっても手痛い“返礼”が待っている。
「定年後は少しでも手伝おうと思い、家内が外出した時に驚かせようと、食事の支度をしました。余計な出費をしてはいけないと、冷蔵庫にある食材で何ができるかをネットで調べ、回鍋肉と唐揚げを作り、初めてと思えない出来栄えに満足でした。
しかし、家内の一言は『1週間分のメニューを考えて冷蔵庫に入れておいたのに。外食の方がまだ安上がりね』と大きなため息。せめてお礼の一言があってから文句をいってくれれば……」(62歳・元会社員)
また、食材選びの買い物ではこんなケースがある。
「スーパーで買い物中、子供をトイレに連れて行った妻がなかなか戻らないので、メモを見ながら代わりに買い物をした。
戻ってきた妻はカートの中を見るなり『あ、これ全部元に戻して来て』とダメ出し。『牛乳は期限があるから奥から取って』『今日使う野菜はおつとめ品でいいから』って。
そう言うけど、牛乳は買って2~3日で飲みきるから期限なんて関係ないし、我が家の冷蔵庫には古い怪しくなった野菜が奥の方に隠れている。さすがに言い返しませんでしたが……」(41歳・公務員)
そして、いざ料理をした夫にはこんな災難がふりかかる。
「料理中ちょっと味付けするごとに『アッ』、野菜を切れば『アッ、ま、いっか』と妻が何か言いたげだ。いいなら初めから言うなよと心の中でイライラが募る。出来上がったカレーはルー一箱全部使ったために12人分できてしまった。
確かに夫婦2人には多すぎる。が、『そうなると思った。うち、何人家族だっけ?』と小バカにした一言にキレてしまった。料理は楽しかったが、ケンカになることを考えると二度と作りたくなくなった」(63歳・元会社役員)
料理に関しては妻側にも一家言ある。普段はまったく作らないくせに、たまに台所に立つと偉そうに言うという不満が多い。
「毎日、家族の食事を作ってきたのは私です。たまに作るようになったからといって台所に立って、『焼きそばに入れる肉は先にゆでて最後に入れるんだよ』とか、知ったかぶって講釈をしないでもらいたい」(主婦 42歳)
※週刊ポスト2014年8月15・22日号