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2014.08.15 15:59  週刊ポスト

現存する最古の春画 宮中醜聞を扱った作品で鮮烈描写が特色

 確かな表現技術に基づいた日本の「性愛芸術」として、世界中から賞賛されている春画。そもそもの春画の誕生は、12世紀の平安時代だと考えられている。『春画と人びと』(青土社刊)著者で、春画研究の第一人者である白倉敬彦氏が語る。

「春画の先駆的な作品は、『陽物比べ』や『放屁合戦』などの絵巻です」

『陽物比べ(ようぶつくらべ)』は、国中からペニス自慢の男を集めたコンテスト。絵巻には巨大な男根が並ぶ。『放屁合戦』も登場人物の大半が尻丸出しだ。

「これらに満ちた明るさ、性器の誇大表現、笑いのセンスと諧謔性は春画に脈々と受け継がれていきます」(同前)

 現存する春画で最古と目されているのは1299年頃の制作といわれる絵巻物『小柴垣草子』。

「宮中の性スキャンダルを扱った作品で、鮮烈な性描写が特色です」(同前)

 1321年頃には『稚児之草子』が描かれる。僧侶と稚児の秘儀を小咄風にまとめた絵巻だ。鎌倉末期になると土佐光信に代表される土佐派、さらに狩野派の絵師たちも、中国の木版春画「春宮画」を範にして、性交体位を主眼にした十二図一組の肉筆春画を手がけるようになる。いわば当時の「セックス教本」だ。

「公家や武家、一部の富裕商人といった当時のセレブ階級が、嫁入り道具として注文したと考えられます」(同前)

※週刊ポスト2014年8月15・22日号

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