魚を食べる漁村は長寿者が多いような印象があるが、さにあらず。同じ魚でも、どのような食べ方をするかで大きな差が出ている。
石川県の塩屋村(現在の加賀市塩屋町)では、売り物になる大型魚は朝市で売ってしまうため、自分たちが食べるのは小魚だけ。そのために長寿になっている。大型魚を切身で食べる村より、小魚を丸ごと食べる村が長寿というわけだ。
逆に、静岡県西伊豆町の田子地区は、伊豆節という鰹節の産地。鰹のあがる期間は脂身の多い腹肉が不要になるので、村中こればかりを食べて野菜は全然食べない。その結果、心臓疾患で40~50歳で倒れる人が多い。
この本の中には、現代でも通用する「食生活と長寿との相関関係」がふんだんに盛り込まれている。