須田:竹中さんが主張されている同一労働、同一賃金にしようということ自体は私も個人的には賛成です。ただ、そのような認識は国民の間に広まっていない。

竹中:確かに労働に関する規制はとても複雑で難しい。先の「4要件」があるため、訴訟リスクを恐れる大企業はほとんど解雇ができません。逆に訴訟を恐れない企業は安易に解雇しています。だから「解雇ルールを明確にしよう」といっています。どういう場合に解雇を禁止するか、解雇する際にはどんな配慮をすべきかを明確にしたほうが、安易な解雇にはならず労働者の権利は守られる。

 そうしたことはほとんど報じられず、メディアはすぐに「解雇自由化へ」とエキセントリックなレッテルを貼っています。それでは労働や雇用の問題について、なかなか理解されにくいのではないでしょうか。

須田:パソナと政界の近さが批判される例として、ASKA事件で話題になった迎賓館「仁風林」で政界接待が繰り広げられていたことがある。何が行なわれていたのか。

竹中:いろいろな企業の方を集めてセミナーをしています。はっきり言って真面目なパーティですよ。各国の大使の方もいらっしゃいます。その国の国歌を起立して聴いて、交流を図って、意見交換しているのです。

 メディアはただ面白がって記事を書いているという印象しかありません。ASKAさんについては、何があったかはわかりません。それは裁判を待てばいいことだと思います。

※週刊ポスト2014年8月29日号

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