かゆみを伴う小さい赤いブツブツ、「あせも」。子供がなるものと思ったら大間違いだ。ここ数年、節電のためエアコンの設定温度が高くなり汗をかきやすくなった結果、大人のあせも患者が急増している。大人の「あせも」対策として重要なのは、まずはこまめに汗を拭きとることだ。
「汗をかいたらシャワーで洗い流すのがいちばん。外出時には、ウエットティッシュや水で濡らしたハンカチで拭いて皮膚を清潔に保ちましょう」(野村皮膚科医院の野村有子院長、以下「」内同)
ハンカチはおしぼりケースを使えばバッグの中を濡らさずにすむ。
「下着は汗をよく吸う『綿』と速乾性のある『ポリエステル』の混合がおすすめです。大量の汗をかくと『綿』だけでは乾きにくく逆効果になるので、気をつけてください」
汗蒸れ予防に、ぴったりと肌につくものではなく、ゆったりしたものを選ぶのがよい。 エアコンの設定温度も微調整を。
「1時間おきに室内温度をチェック。一般的にはエアコンの理想設定温度は28℃となっていますが、汗をかきやすい人は予防のために我慢せずに少し温度を下げましょう」
制汗スプレーを活用するのもひとつの手。
「殺菌効果のある銀、ミョウバン、塩化アルミニウムを含むスプレーを使うといいでしょう」
夏場の起床時は寝汗をしっかり落とそう。シャワーで充分な効果が得られる。
「シャワーを同じ場所に10秒以上あてていると、皮脂が失われてカサカサ肌となってしまい逆効果です。1か所3秒程度にとどめましょう」
入浴時は、大量の泡でゴシゴシ皮膚をこすると必要以上に皮脂を洗い落としてしまい、肌の保湿効果が弱まるから気をつけたい。
「固形石鹸を軽く泡立てて、手で撫でるように洗いましょう」
ほかには、貴金属は身につけないこと。直接肌に触れるネックレスやブレスレット、腕時計などの貴金属をつけると、あせもが生じやすいのでNG。特に夏バテで体力が低下しているときは、普段よりも発症しやすくなってしまう。
抗菌効果と痛みを和らげる消炎効果のあるドクダミ成分が配合された入浴剤なら予防と症状改善が同時にできる。
「お風呂から出てすぐに着替えると、また汗をかいてしまう。少し体の熱を冷ましてから服を着ましょう」
※女性セブン2014年9月4日号