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安倍首相の健康不安説をダシに反主流派が露骨なポスト要求も

 中南米訪問から帰国した安倍晋三首相が9日間に4回も歯科治療を受けたため、歯周病関連の症状が心配されているが、持病の潰瘍性大腸炎の悪化や、口腔がん説も一部では噂されている。こういった健康不安説が飛び交うのは、首相の身近に不満を抱えた分子の存在があるからだ。

 安倍首相はこれまで高かった支持率を背景に、党内の慎重論を踏みつぶしながら集団的自衛権行使容認の閣議決定や特定秘密保護法を制定し、「政高党低」と呼ばれるワンマンぶりを発揮してきた。そのため自民党内には首相の党運営に対する不満が溜まりに溜まっている。

 特に内閣改造にあたっては自民党に60人以上の入閣待望組がいて、ポスト配分によってはその不満が一気に爆発する懸念がある。改造人事の焦点はなんといっても石破茂・幹事長の処遇だろう。

 安倍首相は休暇中の8月20日、森喜朗・元首相や側近らとのゴルフに石破グループの山本有二・元金融相を招いた。豪雨による広島県の大規模災害によりラウンド途中で中止となったが、「石破幹事長が大臣を受けるかどうかの感触を探った」(安倍側近)とされる。

 反主流派は内閣改造の先まで見据えている。ライバルの額賀派中堅は周囲にこう語っている。

「自民党系の苦戦が予想されている10月の福島県知事選、11月の沖縄県知事選で負ければ、安倍政権の求心力は落ちるだろう。そうなった時、総理の体調はますます心配だ。挙党態勢で自民党を支え続けるには、派閥への配慮も必要だ。大臣枠は最低3つ欲しい」

 健康不安説をダシに露骨なポスト要求をしているわけである。

 2006年に発足した第1次安倍政権は、船出早々に大臣らの事務所費問題が相次ぎ、失言も重なって急速に支持を失っていった。その人事の失敗によるストレスフルな政権運営で、大腸炎を悪化させ退陣に追い込まれたともいわれている。

 体調のバロメーターである歯に異変が出た今、内閣改造でまた失敗すれば、潰瘍性大腸炎の悪化で退陣を余儀なくされた7年前と同じ道を歩むことになりかねない。

※週刊ポスト2014年9月5日号

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