性科学に詳しい医師は、女性のオーガズムの快感を「男性の絶頂の10倍」だという。男性が絶対に到達できない“性の極地”にはどんな世界が広がっているのか──。日本の女性1000人に「イク瞬間」について訊いた。
男性のように明確なサインがあるわけではない女性のオーガズム到達の瞬間。その神秘について調査に答えてくれたのは全国1000人の既婚女性だ。
年齢は21歳から69歳までで、平均年齢は42.9歳、回答者が最も多かった年齢は38歳で52人だった。東京、神奈川、大阪を筆頭に全国に分布しており、出産経験があるのは全体の74.3%だった。
その女性たちにオーガズムの経験について質問したところ、「ある」が58.7%。導いているつもりの男性側にしてみれば、意外と少ない数字に思える。
続いて「わからない」が25.1%。「温泉に浸かっているような快感は得られるけど、それがイクということなのかはわからない」(東京都・29歳)、「これかなと思ったり、もっと気持ちよいものかなと思ったり……わからないです」(千葉県・28歳)と、オーガズムそのものがわからないということのようだ。
では、イキやすい女性とイキにくい女性は、いったいどこが違うのか。
成城松村クリニック院長の松村圭子医師は「もちろん女性の個人差はある」としながらも、男性側の原因を指摘する。
「『女は膣の奥が感じる』と思い込んでペニスを深く挿入して力任せに突く男性が多いようですが、大きな間違いです。膣の奥、すなわち子宮口(ポルチオ)の近くは出産の痛みに耐えられるようにほぼ感覚はありません。
知覚神経が集中しているのは膣の入り口から3分の1まで。女性がオーガズムにたどりつけないのは、入り口から手前3cmぐらいまでを時間をかけて刺激するという適切な挿入ができていない可能性があります」
※週刊ポスト2014年10月10日号