一方、採用する企業側もそうしたリタイア世代の登用に積極的になっている。高齢者に仕事を斡旋するシルバー人材センターでは、民間企業からマンション清掃や警備員など求人の問い合わせが増え、受諾件数が10年で1.12倍に伸びているという。総務省の労働力調査(2013年)によれば、就労する65歳以上は636万人で過去最高。うちアルバイトや派遣などの非正規雇用は203万人を占めている。

 背景にあるのは、少子化による労働力不足だ。2014年度の経済財政白書によれば、労働力人口はピークの6793万人(1998年)から2013年は6577万人に減少、女性や高齢者の雇用を促進しなければ、2030年にはさらに約900万人減ると予測されている。

 モスバーガーも当初、高齢者のスタッフを雇用したのは「人手不足から」(広報担当者)で、積極的に高齢者の働き手を求めたわけではなかったという。しかし、雇用してみると、予期せぬ嬉しい“副産物”があった。

「高齢者の方々は無遅刻無欠勤で非常に真面目に働いてくれる。それにお客様の反応も良かった。弊社は若い世代が中心の客層でしたが、同世代の方が働く姿に安心感があるためか、高齢者のお客様が増えるという相乗効果もありました」(同前)

 同じファストフード業界では日本マクドナルドも60歳以上を「シニアクルー」として採用している。

※週刊ポスト2014年11月14日号

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン