家電とのコミュニケーションにより、生活がますます便利になる時代――。お喋り家電の普及はメーカー側にとっても売り上げ以上のメリットが見込めると指摘するのは、前出の安蔵氏。
「これからはシニアを意識した家電づくりが大切。機能を詰め込むだけ詰め込んで操作方法が難解では意味がありません。いくら分厚いマニュアル本を作成しても、誰も読みませんしね。結局、カスタマーセンターのコストがかさむだけです。
そこで、何か製品にトラブルが起きたとき、製品自体に音声ガイダンスが充実していれば、問い合わせを未然に防ぐこともできますし、顧客満足にもつながるので一石二鳥です」(安蔵氏)
シャープは2014年9月中間決算にて純利益47億円を計上し、じつに4年ぶりの黒字となった。ソニーをはじめ、国内の家電メーカーを取り巻く環境は依然厳しいことに変わりないが、「お喋り家電」など日本独自の付加価値を磨いていけば、将来も明るいはずだ。