厚生労働省は2013年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むとされる子どもの人数)は1.43と発表した。前年度に比較して微増したものの、いまだ低迷は続いている。
少子化対策を成功させ、出生率が2.0となったフランスの子育て観とは? フランス、オランダに計14年住み、現地で育児コンサルタントとして活躍する佐藤めぐみさん(オールアバウト子育てガイド)に話を伺った。
「日本の場合、子供と母親との絆を重んじる“絆の太さ重視型”育児なのに対し、フランスの場合、子供は社会で育てる“絆の数重視型”育児だと思います。子育ての責任は母親だけが負うものではないと考えているので、働く母親率も日本よりはるかに高い。それにもちろん、社会の受け入れ態勢がしっかりしているので、電車でバギーを見れば、当然のようにみんなが場所を空けますよ」
日本では保育園に入れない待機児童が社会問題化しているが、フランスの受け入れ態勢は実に整っている。
「フランスには、母親が働いている、いないにかかわらず、子供を受け入れる機関(通称ギャルドリー)があります。1才を過ぎると、そこに子供を預けるのが一般的。3才までは母親と一緒にという風潮が今も残る日本人からすると、酷のようにも映りますが、フランス人は母親とばかりではなく、広い世界を見せたいという意識が強い。
つまり、日本人は母親と一緒じゃないとかわいそう、と思うのに対し、フランス人は母親とばかり一緒ではかわいそう、と思うようです。それに、フランスでは、母親の育児稼働時間にオン、オフがあるようにも思いますね。夫婦の時間も大切にしていますし、その辺りが驚くほどさばけています」(佐藤さん)
※女性セブン2014年11月20日号