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2014.11.19 15:59  週刊ポスト

春画のあえぎ声 ソレソレ、きくきく、スーハー、まちやんせ

 日本では一般的に「アン、アン」「イク」などと表現されるあえぎ声。しかし、それは現代日本のスタンダードであり長い歴史の中で、表現方法は様々な変化を遂げてきた。特に官能文学の世界においては、あえぎ声を独自の響きで、巧みに取り入れてきたようだ。

 官能小説評論家の永田守弘氏によれば、江戸時代の枕絵(春画)にもあえぎ声が添えられていたという。以下、代表的なものを紹介する。

「あれよあれよ」
「スーハー、スーハー」
「ソレソレ」
「きくきく」
「まちやんせ、わたしもアレアレ」

 実に多彩である。

「その後、明治~戦前期はわいせつ表現の規制が厳しくなって、一般に描く人がいなくなった。しかしアングラ作品として水面下で出回ったものには、江戸時代特有の描写が見られます。

 例えば大正期の永井荷風作とされる戯作『四畳半襖の下張』。ここから拾ってみると、“アレアレ、またイクまたイク”や、“えーわ、えーわ”、“止めて死んじゃうわ”“ハッハッ”“ウウンウウン”という直接的な表現が散見される。一方、同じく大正期の芥川龍之介作とされる『赤い帽子の女』では、例えば〈女は何度気をやったか知らないが、隣の部屋まで響くような呻き声を上げた〉と第三者の視点で描かれています」(永田氏)

※週刊ポスト2014年11月21日号

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