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姉妹間の確執 苦労する姉と世渡り上手な妹の不公平感も原因

 放送中のドラマ『ディア・シスター』(フジテレビ系・木曜22時)では真面目でしっかり者の姉(松下奈緒)が破天荒で甘え上手な妹(石原さとみ)に振り回されるという姉妹のドタバタ劇が描かれている。姉妹は女同士で誰よりも身近な存在だからこそ他人とは違う深い絆で結ばれる一方、近すぎる存在がゆえにその関係が断絶してしまうことがある。

 山下早苗さん(仮名・45才)は介護士として高齢者住宅を訪問するパート勤めをしている。車で30分の距離に住む母親が、転んでケガをしたのは半年前のことだった。

「父は5年前に他界。ひとり暮らしの母親はもう76才です。足をくじくだけでも一大事で、買い物やお風呂の付き添いといった介護が必要になりました。小学校の教師をしている妹も実家の近くに住んでいたので母の面倒を見るのは分担制にしようと相談したところ、あの子は『お姉ちゃんは介護のプロなんだからよろしくね』とさらっと言ってのけたんです」

 仕事があるので手分けしたいと早苗さんが提案すると、「私は教師という責任ある仕事があるの。お姉ちゃんは所詮パートだから融通が利くでしょ? お金は払うから」と追い打ちをかけられた。

「思わず頬をひっぱたきましたよ! 妹夫婦はどちらも教師で高収入ですが私の夫は安月給のサラリーマン。私のパートの収入がないとやっていけないんです。思えば、幼い頃から私は損な役回りばかりでした。

 家が裕福じゃなかったので、ピアノの発表会では『お姉ちゃんだから我慢してね』と言われて制服で演奏。まだ小学生で制服がなかった妹は新しいドレスを買ってもらって、みんなに『カワイイね~』って言われてました。

 大学受験の時、私には『お金がかかるから』と選択肢は国立大のみ。滑り止めの私立受験すら許されなかった。私は受験に失敗してそのまま就職したんです。でも妹はわがままを通し第1希望の県外の私大に進学。両親は『お姉ちゃんみたいなことがあると不安だからいくつか受けたほうがいいわよ』なんて言って妹はいくつも滑り止めを受けていました。そんなお金があるなら、私に浪人を許してほしかった。

 妹が私立大に通って教師になって『先生~』って呼ばれているのだって、私の犠牲があったからこそ。いろいろなことを諦めてきた私の人生をバカにされたと思ったんです。結局、母の介護は私がひとりでしていますが、このままだと母のことすら憎んでしまいそうです」

 ふとしたきっかけから、長年蓄積された恨みが爆発し、罵り合う姉妹たち…。「姉妹は仲も良いがライバル関係になりやすい」と言うのは姉妹の関係を研究する『三姉妹総合研究所』の優慧太さんだ。

「妹は姉の真似をしたがるので習い事など同じ分野で活動することが多くなります。そうすると成績や評価で差がつく場合、おのずと比較されるようになります。どちらかが評価され、一方が評価されないと、子供は敏感に反応し、傷つきます。その気持ちが相手への憎しみに変わってしまうことがあるのです。

 また、姉妹間では独占欲や嫉妬が確執の原因になりやすい。同じものを手に入れたい、負けたくない、親の愛情を独占したいといった思いが見られます」

※女性セブン2014年12月11日号

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