だが、この話題がネット界にとどまらずマスメディアも巻き込んで盛り上がっている中、「所詮はセレブのお遊びと売名行為」「心臓麻痺になる危険性がある」「バカバカし過ぎる」「こんなことをやっても患者は喜ばない。黙って寄付しろ」といった批判もネット上では出た。
事実、アメリカでは、消防車のはしご車から水をかけようとした消防士が感電し、後に亡くなった事故も発生するなど、チャリティのはずがとんだトラジェディ(悲劇)になった例もある。
私自身もネット上の反応と同じような感想を持った。本音を言えば、暑い中氷水をかぶることは爽快感しかないだろう。ネット上で展開される「人助け」のようなものは、「カネを払う」という負担を伴う寄付行為を除き、大抵本気感はない。最終的には自分にメリットがあるか、感動的なストーリーの一部に自分を組み込み、自己満足に浸れることが多い。
※中川淳一郎・著/『縁の切り方~絆と孤独を考える~』より