現在は、構造的に新しい定番が誕生しにくい時代だと思います。なんせ、音源が売れない時代だからです。CDのセールスが下がっているのはご存知の通りですし、ネット配信も頭打ち感があります。ライブの動員は好調ではありますが。そもそも、新しい曲というのが世に出て、定着しづらい時代だと言えます。新しいクリスマス・ソングが生まれていないわけではないですが、そういう曲を広め、育てるよりも、ド定番のこの曲を流す方が、楽をしてクリスマス気分を漂わせることができるわけです。

 誰が次の「クリスマス・イブ」的な、ド定番を作ることができるのか。かなりの無理ゲー感が漂っていますが、密かに期待してはいます。今年で言うと、EXILE ATSUSHIの「First Christmas」はクリスマスの新定番になるのか、私は注目しています。個人的には、日本が誇る2大ヨシキである、YOSHIKIと、いきものがかり水野良樹に、これからのクリスマス新定番を期待したいと思います。

 山下達郎さん自身も、「クリスマス・イブ」を超える、新たなクリスマス・ソングを期待したいところです。まあ、この曲を出した後、奥様の竹内まりやさんの「今夜は今夜はHearty Party」の編曲、プロデュースを担当。この曲も定番化し、いまや夫婦でクリスマス・ソング界を牛耳る、老害なのですけどね……。

 というわけで、誰が「クリスマス・イブ」を超える、クリスマス・ソングの新定番を作るのか。激しく傍観したいと思います。

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