例えば、サントリー食品インターナショナルの主力商品である「BOSS」は、昨年“ボス史上最高峰のコク”と謡う「プレミアムボス」を発売。わずか2か月あまりで340万ケースを出荷するヒット商品となった。
プレミアムボスは瞬間凍結して微粉砕した豆をブレンドに加えたり、エスプレッソの使用量を同シリーズの中でもっとも多くしたりするなど、新技術を詰め込んで“コーヒー通”をもうならせる味に仕上げたという。
また、本場イタリアで飲まれているエスプレッソコーヒーを淹れたての状態で再現しようと、ボトル缶を振って飲む斬新なスタイルで売り出しているのが、ダイドードリンコの「ダイドーブレンド 泡立つデミタスエスプレッソ」だ。
「淹れたときにできるきめ細やかな液面の泡立ちを缶コーヒーで再現させるのには苦労しました。缶の内部の陰圧、最適なヘッドスペースのコントロール、中味の独自製法技術の組み合わせにより、振るたびに空気を抱き込んだ泡が分散され、きめ細やかな泡立ちを実現させることができました」(ダイドー広報担当者)
同商品を飲んだ消費者からは、「カフェでコーヒーを飲んでいる気分を味わえる」と本格的な味わいに評価も上々だという。
技術の粋を集めて世界で唯一無二の“缶コーヒー大国”になった日本。コンビニエンスストアのカウンターコーヒーが人気を呼ぶなどコーヒー市場は激戦といえるが、持ち運びの利便性と味を兼ね備えた缶コーヒーは日本の誇るべき文化として、今後も確固たるポジションを築いていくだろう。