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2015.01.30 15:59  週刊ポスト

江戸の性生活 96歳の武士が21歳の妾に子を産ませた史実あり

 昨年10月に亡くなった春画研究の第一人者、白倉敬彦(しらくら・よしひこ)氏の遺作となる『春画に見る江戸老人の色事』(平凡社新書)が刊行された。同書には、「老人の性」を汚らわしいと捉える現代人には想像もできないような、江戸時代の朗らかで自由な性の世界が描出されている。

 江戸時代は、人生50年といわれていた。だが、当時も70歳、80歳まで生きる者はかなりいた。当然、そこにはセックスをめぐる問題が生じてくる。

 隠居爺は若い妾を囲ったり、吉原や岡場所(遊郭)で若い女郎を買う。それが小咄や川柳の格好のテーマとなった。だが、春画はもっとリアルに、老人の性をめぐる多様性を活写している。中でも、絶倫老爺の活躍には目を瞠るものが多い。

『枕入秘曲活花二人契子』(小松屋百亀)では、元気な老爺が、多情な息子の嫁と対面座位で交わっている。絵の背景の書入れによると、嫁は「またいきます」と絶頂寸前の様子。対する老爺は「此味では、息子が吸いとられたのもどうり」と妙に納得している。

 白倉氏はこう解説する。

〈息子は、嫁に吸い取られて腎虚(過淫が過ぎての衰弱)して亡くなったと見える。代わりに舅が相手となっているのだが、大丈夫だろうか。案外に達者な老人もいたことだから、この場合は、爺さんの方も強蔵(強精)なのかもしれない〉

 強淫で精力旺盛な老人のエピソードはまだまだある。『祝言色女男思』(歌川国虎)の老爺は82歳。若い妾を相手になんと8回もの交合に及んだうえ、「20年前なら15回はこなした」と嘆いている。一方の若妾は呆れるやら、ぼやくやら。

「毎晩6、7回より少ないことはない。お金は欲しいけど、身体がもたないわ」

 この絶倫老爺は絵空事ではない。幕末に記された『藤岡屋日記』には、96歳の武士が21歳の妾に子を産ませたという記録も残っている。平戸藩主の松浦静山が、隠居後の47歳から74歳までに7人の側室に20人もの子を産ませた史実もある。

※週刊ポスト2015年2月6日号

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