国際情報

東京裁判 「A」の容疑者が30名から28名に減らされた理由とは

 歪んだ日米関係を紐解くには、やはり東京裁判の再検証が必要だ。近年、海外の識者、ジャーナリストのなかにも東京裁判に否定的な見解を示す者が少なくない。国際ジャーナリストの藤田裕行氏がそうした意見を紹介しながら東京裁判の「連合国戦勝史観」からの脱却を訴える。

 * * *
 日本外国特派員協会の最古参ジャーナリスト、ヘンリー・スコット・ストークス氏は近著『目覚めよ!日本』(日新報道刊、植田剛彦氏との対談)で「連合国戦勝史観の呪縛からの脱却」(副題)を訴えている。

 ストークス氏は、極東軍事裁判、いわゆる東京裁判は、「欧米の秩序を脅かした日本に対する復讐劇であり、連合国側の「プロパガンダ」に過ぎないと位置づけるが、彼のほかにも海外で「東京裁判は司法殺人である」と論証する本は複数出版されている。

 連合国戦勝史観の虚妄は、当の日本軍人こそ、もっとも痛感していたことだった。
 
 私はかつて、帝国海軍を代表し「法廷係」として東京裁判のほぼ全ての法廷に出席し、記録をした故・冨士信夫海軍少佐と親しかった。冨士少佐は「東京裁判史観の払拭」を、まさにその生涯をかけて訴えてこられた。
 
 東京裁判が、いかに「いんちき裁判」であるか、その実態を知れば、日本人なら誰しも激怒せずにはいられない。冨士少佐の訴えを、以下にまとめた。
 
●裁判を正当なものとする「管轄権(ジュリスディクション)」があるのかを、裁判冒頭に清瀬一郎主任弁護人が問うた。ウェッブ裁判長は、「後で答える」と言って裁判を進行し、ついにその問いに答えることなく裁判を終結させた(つまり、裁判を成立させる正当性がないと、わかっていた)。
 
●「A」分類の「平和に対する罪」「人道に対する罪」は、戦争中に法的に存在しなかった罪で、つまり「事後法」となる。後から制定した法で、その法が制定される以前の行為を罪にすることはできない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン