【今こそ「おせっかい」をしよう】
私は今「おせっかい」が必要な時代だと思います。現在のような、地域のいわゆる良家の奥様・おばあ様がやられるような民生委員ではもう足りなくて、いわゆるソーシャルワーカー的な公務がもっと必要です。例えば大阪では行政書士会が受託されてね、いわゆる公務員よりはずっと安くそういったことに相談に乗れるようなスキームを作っています。
最低賃金を上回る水準の生活保護を、場合によっては10年以上も同じ「働ける世代の健常者」に与え続けるような行政はやっちゃだめで、アドバイスやケア・マネージメントにお金をかけた方がいいですよ。現実に人手は足りていませんので。まあ提示される仕事は面白いものばかりではないかもしれないけど、例えば夜間のコンビニで良ければ……東京都心以上だったら月20万円にはなりますからね。
実際、一度レールに乗っけたらそのまま行ける割合がけっこう高いので、そのとき一瞬お金がかかるように見えるけど、生涯で考えたら何千万円かはその人にかける国の予算は少なくなりますよ。
非正規雇用が多いと言っても、最初から雇用者を全部正規ですぐ雇えと言われても無理で、まず非正規的なものになってから、だんだん雇われるんじゃないですか? 非正規雇用すらも増えなかった時代に比べればまだましだと私は思いますけれど。
大阪では一部の生活保護にプリペイドカードを採用していますが、これもひとつのやり方ですね。もともと現物支給したらどうかってのは前から自民党も検討していて、私は原則論として現物支給するんだったらその方がいいと思いますよ。三食栄養管理した食事を出してもらえばいいじゃないのと思います。実際には現物で全部支給しろって言っても煩雑だから大阪はカードにしようとしたのでしょうし、そうすると自己管理もある程度自分でできるようになる効果もみこめますね。
で、パチンコとかそういうことに使わないようにしていただきたいと。まあ、酒・タバコまで絶対飲むなとまでは言いませんが。そもそも自由ではあるんですが、だけど自由を謳歌するんだったらそれはご自分で稼いでいただきたい。保護費は人様が働いて支払った税金だから。自立者を増やすことに悪いことはひとつもないので、その人たちががんばれば将来税金を払う側に回って行ってくださるわけですよ。こんな素晴らしいことないですよ。
ただ今は法律上、金銭給付の原則になっていて、値段も高度成長期の時にどんどん上げていって「まあこんなのもらう人は一部の人だな」っていうことでやってきたのが間違いであったんじゃないですかね。
これだけ件数が増えますと、調査にも限界が生じているんですよね。たとえば調査結果のみ未確認なまま受給を認めているケースも多いと、最近の行政評価局の調査で判明しました。金融機関調査っていうのは62%も未確認で出したりとか……。
まあ、人出がいないから大変なんでしょうけど、不正受給となった保護費も回収率が24%だとか、調べれば調べるほどおかしいんですよね。これでも氷山の一角だってなんで言うのかが私にはわからない。