「大連のトラブルの直後、9月に予定されていた北京のイベントに対して、当局からAV女優出演禁止通達が出ました。『大連でケガ人が出たので危険だから』という理由でしたが、ネットのアンケートで卵を投げた行為に対する支持が多数を占めたことも大きかったと思われます。
1社だけAV女優を出演させたブースがあったのですが、すぐに警備員が駆けつけて強制終了させられました。11月の広州のイベントも女優の参加は禁止でした」(前出・メーカー社員)
この北京のイベントでは、抗議団体やボランティアがネット上で「犯行予告」を行なっていた。
〈これは紛れもない色情汚染。大連では(臭いのある)発酵タマゴが使われたが、北京ではどんなプレゼントをお見舞いしてやろう〉
さらに追い討ちをかけたのが2014年12月末、上海・外灘(ワイタン)で起きた将棋倒し事故だ。死者は36人にのぼり、上海市公安局の職員約10人が更迭された。AV女優が出演すれば1日に1万人以上を動員する成人用品展示会は当局にとって最も警戒すべきイベントとなった。
4月9~12日に行なわれた上海での展示会も例外ではなかった。
「当局の意を汲んだ主催者は事前に出展企業にAV女優出演自粛の通達を出しました。しかし、今年は例年より大きな会場を使うことが決まっていたので、AV女優がいないと集客できない。
交渉した結果、『服を脱がない』『派手にやらない』に加え、『ブース内の事故は自分で責任を持つ』という条件で女優の出演が承認されました」(前出・メーカー社員)
※週刊ポスト2015年4月24日号