当時の公演案内によればチケットは1・2階席とも1万2000円で小渕氏が説明していた会費と同額だから、2012年分は少なくともバス代などの関連経費は「選挙前の有権者サービス=買収」だった疑いがある。
3階席は5000円だが、3階部分は144席しかない(1階は834席、2階は390席)。小渕氏自身、1回1000人規模のツアーだったと説明しているから、1・2階席を使ったことは間違いないとみられる。特捜部はなぜその点を追及しないのか。
さらに、家宅捜索では会計書類を保存していたハードディスクがドリルで破壊された状態で見つかった。その問題について特捜部は「証拠集めに支障はなかった」としたが、
「別の証拠があればいいというものではない。ハードディスクがあれば証拠能力が強化される可能性がある。隠す意図があれば、証拠隠滅罪に該当する」(刑法が専門の土本武司・筑波大学名誉教授)のは当然である。
小渕氏は「政治的道義的責任を痛感しています」とコメントを発表したが、本当にそう思うなら議員辞職は当然であり、特捜部は「刑事責任」を追及すべきだ。
※週刊ポスト2015年5月22日号