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2015.05.18 15:59  週刊ポスト

快感へと導く女性の秘密スイッチ 名付け親がその由来を語る

 謎に満ちた女性の体の中でも、その存在自体が論争を巻き起こす部位は他にない。約30年前に世界的ベストセラーによって魅惑の性感帯としてその名を知られた「Gスポット」。名付け親である性科学の世界的権威、ビバリー・ウィップル博士がその秘密を語った。

 ニューヨークから車で約2時間。ペンシルベニア州フィラデルフィア郊外にある閑静な住宅街に73歳の女性を訪ねた。ブルーのセーターに黒のパンツ姿で出迎えたウィップル氏は、1982年に発売された世界的ベストセラー『Gスポット(原題:The G SPOT)』の著者である。

 ウィップル氏は1970年代に骨盤底筋体操(いわゆるケーゲル体操)のインストラクターをしていた時にある生徒に出会ったことで、Gスポット研究の道を歩み出した。

「妊娠や出産などで骨盤底筋が緩んで収縮する力が弱まると、尿道が十分に締まらなくなります。すると咳、くしゃみ、あるいはジャンプしただけで尿を漏らしてしまうことがある。だから、肛門や膣を締めたり緩めたりする運動で骨盤底筋を鍛えるわけです。

 その体操を学びに来ていたある女性が私にこういいました。『先生、セックスの最中に膣の中から液体が飛び出してくるんです。大丈夫でしょうか』。最初は耳を疑いましたが、同じような経験をしている女性が何人もいたのです」

 当時の性科学界では女性の絶頂はクリトリスでしか得られないとする「クリトリス・オーガズム」が定説だった。しかし、ウィップル氏は生徒たちの証言から、膣の内側にも十分な刺激を与えると快感を呼び起こし、液体の射出を促すポイントがあると考えるようになった。

 性カウンセラーとしても活躍していた彼女は共同研究者とともに、被験者になりたいと申し出た400人の女性の膣を医師と看護師に調べさせた。すると、膣口から3~5cmほど奥に入った膣前壁に強い快感を生じさせるポイントが全員に見つかった。

「私たちはこの事実に衝撃を受けました。どう解釈すればいいかわからなかったので過去の文献を徹底的に調べたところ、1950年のドイツの産婦人科医エルンスト・グレーフェンベルクの論文を発見したのです」

 当時の医学界では注目されなかったその論文にはこう書かれていた。

〈性欲を喚起するゾーンは、膣の前壁の尿道沿いに常に明示することができる(中略)性的刺激を受けるにつれ、女性の尿道は増大しはじめ、容易に触れることができるようになる。オーガズムの最後には大きく膨らむ。刺激に最も敏感な部分は、後部尿道にあり、膀胱頸部から生じる〉

 ウィップル氏が続ける。

「私たちはその『最も敏感な部分』を“グレーフェンベルク・スポット”と名付けました。それが後に出版社によって“Gスポット”と省略され、書名になったのです」

※週刊ポスト2015年5月29日号

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