流暢な英語を話すことでも知られる長谷川氏。ロッカールームでウォールストリートジャーナルを読む野球選手らしからぬ姿も話題を呼んだ。
「向こうの選手はスポーツ欄しか見ないので僕が経済紙を読んでいるとチームメイトに不思議がられましたね」
もちろん野球には真摯な姿勢で取り組んだ。テンポの良い投球で実績を重ね、メジャーでの登板数517は日本人最多を誇る。
「メジャーでも先発したかったけど、年齢や能力を考えて中継ぎを選択しました。時間をかけて各選手のデータを頭に入れて研究しましたが、全盛期のバリー・ボンズにはデータがまったく通用しなくて驚きました」
長谷川氏が見た、今後の日本人選手の課題とは何なのか。
「僕らの時代と比べて、日本野球のアピールは格段に進んでいます。ダルビッシュや(田中)マー君らは最初から年俸や移籍金が高く、ファンや球団からの期待値は相当高い。アメリカはメディアもうるさ型なので、結果を残さないと激しくバッシングされます。これに耐えるメンタル面のタフさが重要になってきますね」
■はせがわ・しげとし/兵庫県出身・46歳。東洋大姫路高、立命館大からオリックスに入団。1997年にエンゼルス移籍、2002年からはマリナーズで活躍。現在は野球解説者。
※週刊ポスト2015年5月29日号