国内
2015.05.24 07:00 SAPIO
沖縄が「長寿県」転落の危機 長年蓄積した脂肪から数々の疾患
都道府県によってがんや糖尿病などの死亡率に差が出るのはどうしてか。「健康格差」には各地域の食文化が大きく関わっている。
平均寿命ランキングの経年変化に注目したい。
本土復帰後の1975年以来、1位を維持してきた沖縄県女性の平均寿命は現在3位に転落した。男性も30位と史上最低を更新。その理由について、徳島大学大学院心臓血管病態医学分野の島袋充生特任教授はこう解説する。
「日本の平均寿命は大まかに言えば右肩上がりなのに、沖縄は2000年くらいから横ばいでした。その要因を探ると、沖縄の65歳未満の死亡率が全国で最も高かった。
40~64歳に絞って死因を調べると、明らかに他県と違うところがあります。例えば急性心筋梗塞はこの30年くらいの間に全国で半減しているのに、沖縄では人口10万対の死亡率が100増えている。脳血管疾患や肝疾患、自殺で亡くなった人も増えており、それらを合わせると、全国平均よりも10万人あたりで450人ほど多い。65歳未満の死亡率が高くなったことで、平均寿命の伸びが抑えられているのです」
なぜ沖縄で65歳未満の死亡率が高いのか。
「肥満が多く、その期間が長いことが指摘できます。沖縄の食生活の傾向を見ると、高脂肪の食事を摂った期間が長い。太平洋戦争後、米軍基地があることで1950年代頃からアメリカの食文化が入ってきており、長年蓄積した脂肪が数々の疾患を引き起こしたと考えられます。日本全国でも高脂肪になっていますが、それはこの30年のこと。その20~30年の差が、65歳未満の死亡率の違いに表われているのではないか」
※SAPIO2015年6月号
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