国際情報

引揚途中の強姦被害者47人 加害男性の国籍は朝鮮、ソ連など

 果たして韓国の言う「私たちは常に被害者」という姿勢は、本当にその通りなのか。歴史を振り返れば、韓国は過去幾度となく、日本人への蛮行を繰り返してきた。

 11歳の時、朝鮮北部から命からがら京城に脱出した日系米国人作家、ヨーコ・カワシマ・ワトキンズ(旧名・川嶋擁子)の自伝『竹林はるか遠く―日本人少女ヨーコの戦争体験記』(ハート出版刊)。引揚の記録をありのままに綴った同書は、今から約30年前の1986年に米国で出版され、後に一部の州で中学校の教材になった。

 だが、韓国人と韓国系米国人がこれに猛反発。執拗な抗議活動を繰り返し、韓国外交通商部が州政府に是正を求める事態に発展した。実は同書は、2005年に韓国でも翻訳出版されているが、こちらも発売禁止に追い込まれている。韓国主要紙も「間違った『ヨーコの話』学びたくない」(朝鮮日報)、「『ヨーコの話』の最大の過ちは加害者と被害者を入れ替えた点」(中央日報)と題した特集記事を掲載し、メディアを挙げてネガティブ・キャンペーンを行った。
 
 在留邦人、引揚者を襲った悲劇の痕跡は、日本国内にも残されていた。福岡県筑紫郡二日市町(現筑紫野市)にかつて存在した『二日市保養所』の存在だ。この保養所は、引揚の途中に朝鮮人らに犯され妊娠した女性の救済施設堕胎手術を秘密裏に行う病院だった。当時、堕胎手術は違法(*)であったが、施設は引揚援護庁が1946年2月に開設したもので、厚生省が「超法規的措置」として黙認していた側面がある。

【*現在も刑法上の堕胎罪は存置されているが、母体保護法では「妊娠の継続、分娩が身体的・経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある者」、「暴行・脅迫により抵抗、拒絶できず姦淫され妊娠した者」などに対する指定医の処置が認められている】

 同施設の医務主任・橋爪将氏による1946年6月10日付の報告書によれば、施設の開設から2か月間で強姦被害者47人を治療し、加害男性の国籍内訳は「朝鮮28人、ソ連8人、支那6人、米国3人、台湾・フィリピンが各1人」だった。1947年の施設閉鎖まで、堕胎手術件数は500件に及んだという。

 戦時中の日本人の残虐性を世界中で訴えている韓国人は、この事実をどう受け止めるのだろうか。

 日本人が戦時中に犯した罪は、真摯に反省しなければならない。しかし、だからといって、日本人が受けた残虐行為を、歴史から消し去ることもできぬ。正しき歴史を知ることが、真の日韓友好につながるのではないか。

※SAPIO2015年7月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン