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外国人観光客「意外に広島好き」から何を読み取るべきなのか

 日本に来る外国人観光客が増えている。訪れる先は定番の人気スポットあり、意外な穴場もあり。外国人観光に人気の観光スポットを大人として活用しようではないか。大人力コラムニスト・石原壮一郎氏が語る。

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 人間は、自分自身のことはよくわからないもの。いいところにせよ欠点にせよ、他人から指摘されて初めて気づくケースはよくあります。胸がチャームポイントだと思っていたらお尻のほうがウケがよかったり、自分では意識したことがない二の腕がじつは抜きんでた競争力を持っていたり。他人の視点を知ることは、自分をより深く理解する上でとても大切です。

 国もしかり。日本に住んでいる私たちがその魅力に気づいていない、あるいは馴染みがありすぎて値打ちを見誤っている観光スポットは、たくさんあるはず。いや、近ごろテレビでよく見る「賛日番組」のような、恥ずかしい自画自賛をしたいわけではありません。もっと謙虚な姿勢とフラットな気持ちで、外国人に学ばせてもらいたいと思います。

 先日、世界最大の旅行口コミサイトの日本版である「トリップアドバイザー」が、2014年4月から2015年3月までの1年間にサイトに投稿された口コミ評価を元に、「外国人に人気の観光スポット2015」のトップ30を発表しました。

 1位から3位は「伏見稲荷大社」(京都府)、「広島平和記念資料館」(広島県)、「厳島神社」(広島県)の順。この並びは去年も同じでした。広島県からは20位にも、景色が抜群だという「弥山」がランクイン。広島県は欧米からの観光客に人気が高く、国別に人気都道府県をランキングした政府観光局の2014年のデータによると、フランスとオーストラリアは東京、京都、大阪に次いで4位、ドイツとイギリスとカナダが5位、アメリカも6位です。

「へー、そんなところがあるんだ」と個人的に初耳だったのが、8位の「サムライ剣舞シアター」(京都府)と、19位の「ギア専用劇場」(京都府)。前者は剣舞の体験などをしつつサムライ文化を学ぶことができるそうです。後者は演劇でもなくサーカスでもない、言葉を使わない新しい形のパフォーマンスだとか。

 4位「東大寺」(奈良県)や11位「金閣寺」(京都府)、13位「富士山」(山梨県)、15位「兼六園」(石川県)あたりは、なるほどと納得できる安定の強さだし、行ったことがある人も多いでしょう。6位に「地獄谷野猿公苑」(長野県)、10位に「箱根彫刻の森美術館」(神奈川県)が入ってくるのは、外国人観光客ならではの結果かもしれません。

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