女性器の匂いや形について悩みを打ち明けたり、色を他人と見比べたりすることのできるサイトが注目を集めている。その名もずばり、「Asoko.jp」。女性器の悩みに応えるサイトのトップページには、「コラム」「アイテム」「用語集」などのアイコンが並ぶ。
中でも同サイトで最も注目を集めているのが6月17日に開始した「アソコカラーズ」というコーナーだ。
濃淡の異なるピンクや褐色、黒色など、利用女性が自分の性器に近い色を選択し、「色合い」「鮮やかさ」「明暗」を調整して投稿することで他人と共有できるサービスである。サイトを運営する株式会社ノイズの池永尚史代表が語る。
「女性器の悩みは女性同士でも恥ずかしくて話す機会がない。ネット情報は“どうしたら気持ちよくなれるか”などセックスに関係するものばかりで、女性器そのものの悩みに答えるものは見当たらなかった。
『アソコカラーズ』は、多くの女性が悩む女性器の色に注目したものです。“濃すぎて心配”“他の人と違うのでは”と思っても比較する方法がなかった。そこで多くの女性が色を共有し合って、安心できるようにする狙いです」
本誌が昨年実施した「日本人女性1000人調査」(2014年7月25日・8月1日号)では、実に86%の女性が女性器の「黒ずみ」を自覚している結果が出た。女性医療クリニックLUNAグループ理事長の関口由紀医師が語る。
「皮膚の色に濃淡があるように、女性器の色も個人差があって当然です。色白の人は薄く、色黒の人が濃い傾向があります。黒ずみは加齢の影響ではなく、入浴時に強く洗い過ぎたり、きつめの下着を穿いたりすることによる摩擦で炎症を起こし、それが回復する過程で色素沈着が起きることが主な原因です」
しかし、世の男性の多くには「色素が濃いのは性経験が多いから」と勘違いされている実情がある。そうした世の中の偏見が、女性が自分の性器の色で悩む一因になっている。「Asoko.jp」の「みんなの悩み」に寄せられた投稿の数々からも、女性たちが色について切実に悩んでいることがわかる。
〈黒ずみ?色が内臓のようでなんだか自分でもあまり見ていたくない感じです〉(30代・パート)
〈年齢とともに黒ずみが強くなり、夫からも指摘され夜の生活が恥ずかしくなった〉(40代・主婦)
「アソコカラーズ」は開設わずか1週間で約1400人が投稿し、淡いピンクから漆黒までまさに千差万別の色が報告されている。
「男性は女性器の色について、せいぜい“黒かったら嫌だな”くらいに軽く考えていますが、実際にサイトを運営してみて、世の女性は男性の10倍は真剣に悩んでいることがわかりました」(前出・池永氏)
女性の悩みの深さは、男性の想像をはるかに超えているのだ。
※週刊ポスト2015年7月10日号