「総理がSEALDsを非常に気にしている。これまでネットの意見で若い世代に憲法改正を望む声が強いことから、総理は自分の路線が若者に支持されていると考えていた。選挙権の年齢引き下げも自民党に有利に働くとの読みがあった。
しかし、渋谷のデモに多くの若者が参加するなど、予想に反する動きが広がっている。このままでは70年安保の新宿フォークゲリラ、神田カルチェ・ラタン(※注)のように、今後は渋谷が若者の反対運動拠点になりかねないと心配している」
【※注/1960年代後半、ベトナム戦争やアメリカ寄りの安保政策に反対し、学生が様々な政治闘争を行なった。東京・新宿には警察の集会禁止に対抗してゲリラ的に反戦平和のフォークソングを歌う若者が集まったり(1969年6月)、大学が多い神田駿河台では新左翼の学生らがバリケードを築き機動隊と衝突する(1968年6月)などの事件が起きた。後者は教育機関が数多く集まるパリのカルチェ・ラタン(地域名)にちなみ神田カルチェ・ラタン闘争と呼ばれる】
「安倍支持」だと考えたから18歳以上に選挙権を与えたが、若者の批判が政権に向かうや、“俺のやることに反対は許さん”と、一転して高校生を“政治弾圧”しようというのである。
※週刊ポスト2015年7月17・24日号