ルー:そう、周囲が見えるようになってくるんですよ。たとえば、家の塀の上に空き缶とか置く人がいるじゃないですか。ああいうのを見ていると、すごく悲しい気持ちになるんですね。花壇に煙草の灰がいっぱい捨ててあったり、食べ残しのコンビニの弁当が置いてあったり、いろんな発見があります。そういうゴミを拾って、家に持ち帰って仕分けして、捨てたりもしますよ。
ひとりで近所のゴミ拾いをすることもある。最寄りの駅までゴミを拾いながら行って、リターンすると普通のゴミ袋の半分くらい集まります。行動力がだんだん増してきました。
――ゴミ拾いの活動は、これからも続けますか?
ルー:イエス! 非常にクリーンな気持ちになりますからね。自分磨きというか。眼鏡をして帽子かぶっていればわからないし、それがいいんです。「ルーが掃除してる」とあまり言われちゃうのは、ちょっといやらしい感じがしちゃいますからね(笑い)。
――茶道もされていますよね。
ルー:もう8年くらい。芸能人がやっていなことをやろうと思ったときに、お茶なんかいいんじゃないかって、マネジャーの奥さんに勧められたんです。でも作法とか所作とか、お茶って奥深いじゃないですか。それを50才過ぎた男がやり始めるというのは、最初は大変でしたよ。正座で足が痛くなったりして、何度かやめようと思いましたね。でも続けていたら、わび、さびのようなものが少しずつわかるようになって、面白くなりました。
お茶をたてているときは、おもてなしの気持ちがあるわけで、喋らないじゃないですか。茶筅でお茶をたてている間に、主菓子(おもがし)と干菓子(ひがし)を食べていただく。そして一服差し上げ、「大変おいしくいただきました」と言われると、すごく心がピュアになるんです。そうしているときは、本名の大柴亨にかえるんですね、ルー大柴じゃなくて。それがいいんです。
――師範になられたそうですね。
ルー:はい。3、4年で準師範になったのかな。それで去年、師範になりました。師範をとることが夢でしたから嬉しかったですよ。師範になるには試験があるわけじゃなくて、お家元が決めるんです。認められると、掲示板のような所に名前が貼られるんです。やってきてよかったと思いましたね。
――茶道をやってるときは、ルー語は出ないんですか?