ライフ

単体女優は東大合格より難関 ギャラ300万円でも手取りは半額

 一説には4000億とも5000億円の経済規模があると試算されているアダルトビデオ産業。性欲は景気に左右されないことから「エロは不況に強い」とも言われているこの業界に異変が起きている。綿密な取材でAV産業の内幕を抉った『AVビジネスの衝撃』(小学館新書)を上梓したノンフィクションライターの中村淳彦氏に話を聞いた。

 * * *
中村:そもそもAV業界は知名度のわりに、経済規模は大きくない。レンタルビデオ時代に業界を牛耳っていたビデオ倫理協会が解散して、流通の寡占化が進んだ。現在の市場規模は超大手流通の2社(DMMグループ、ソフト・オン・デマンドグループ)の売上から類推して、せいぜい400億~500億円程度でしょう。

“人間の性欲はなくならない、エロは不況に強い”というのも結果的に都市伝説で、不況の際にはAVのような娯楽は真っ先に切り捨てられる。無限の右肩下がりの状況は継続中で、有能な人材はどんどん業界から離れてしまった。アダルトDVDは本当に売れていない。今の状況は限界点に来ています。

――AV女優たちのギャラ事情はどうなのか。

中村:90年代初頭のバブル末期に、トップ女優の一本の出演料が1000万円などという超高額な時代もあったけど、現在はトップクラスの人気女優でも最高額で300万円くらい。しかし、この金額はメーカーが所属プロダクションに支払う金額であり、女優本人に手渡されるのはその半額、または4割というのが一般的です。

 企画女優となると手取り3万円ということも珍しくなく、もうAV女優だけでは生活できないのでAV女優を名乗りながら、アルバイトが本業という女優も多数いる。製作費は下がり続けていて、女優のギャラの下落傾向はまだ続きます。それにどれだけギャラが下がっても、出演する人がいるから止まらない。

――それでも最近のAV女優のクオリティーの高さには驚くばかりです。

中村:ギャラは下がって、内容は過激になっているのにAV女優になりたいという女性は多く、プロダクションに殺到している。10年くらい前から完全に買い手市場になっています。試算をしたのですが、企画女優でも採用率は14%、企画単体で5%、単体クラスとなると300~500人に1人と数値化が不可能なほど。単体になるのは東大に入るより難関です。かわいいのは当たり前、プラスαの付加価値がなければ単体AV女優にはなれない。

――それでは絶頂時のAV産業はどうだったのか。

中村:アダルトビデオが誕生してからの10年間(1982年~1992年)、それからセルビデオが登場してからの7年間(1995年~2002年)あたりは、相当に儲かっていた。一時期、莫大に稼いだ村西とおる監督はお金の使い道に困ってクルーザーを買ったり、住民税の支払いが1億6000万円の年度があったとか。巨乳ブームの先駆けとなった松坂季実子あたりだと、1本撮れば数千万円は儲かったそうです。

 また、1990年代に登場したセルビデオはレンタルより消しが薄く猥褻性が高かったので、1本50万円に満たない製作費で作った粗製濫造ビデオでも飛ぶように売れました。儲かるところには胡散臭い人々が集まります。セルビデオの草創期の90年代半ばは、それまでAV業界に関係なかった怪しげな人物が続々と集まって”儲かりすぎてお金の使いようがない”みたいな話は散々聞きました。

関連キーワード

トピックス

大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情
(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
熱を帯びる「愛子天皇待望論」、オンライン署名は24才のお誕生日を節目に急増 過去に「愛子天皇は否定していない」と発言している高市早苗首相はどう動くのか 
女性セブン
「台湾有事」よりも先に「尖閣有事」が起きる可能性も(習近平氏/時事通信フォト)
《台湾有事より切迫》日中緊迫のなかで見逃せない「尖閣諸島」情勢 中国が台湾への軍事侵攻を考えるのであれば、「まず尖閣、そして南西諸島を制圧」の事態も視野
週刊ポスト
盟友・市川猿之助(左)へ三谷幸喜氏からのエールか(時事通信フォト)
三谷幸喜氏から盟友・市川猿之助へのエールか 新作「三谷かぶき」の最後に猿之助が好きな曲『POP STAR』で出演者が踊った意味を深読みする
週刊ポスト
ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
今年6月に行われたソウル中心部でのデモの様子(共同通信社)
《韓国・過激なプラカードで反中》「習近平アウト」「中国共産党を拒否せよ!」20〜30代の「愛国青年」が集結する“China Out!デモ”の実態
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《自宅でしっぽりオフシーズン》大谷翔平と真美子さんが愛する“ケータリング寿司” 世界的シェフに見出す理想の夫婦像
NEWSポストセブン
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(時事通信フォト)
《潤滑ジェルや避妊具が押収されて…》バリ島で現地警察に拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26) 撮影スタジオでは19歳の若者らも一緒だった
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! プロ野球「給料ドロボー」ランキングほか
「週刊ポスト」本日発売! プロ野球「給料ドロボー」ランキングほか
NEWSポストセブン