4日のインタビュー配信後も、韓国メディアは槿令氏が過去の歴史問題を語るなかで「昭和天皇」と表現し、韓国で呼称される「日王」を使用しなかったことなどへの不快感を示した。韓国政治に詳しい札幌学院大学の清水敏行教授が指摘する。
「就任直後50%を超えた朴槿恵大統領の支持率は昨年のセウォル号沈没事故の対応ミスや今年6月のMERS対策の不手際、韓国経済の低迷によって30%台に急落していた。私人の発言とはいえ、大統領の妹となれば政治的なダメージは大きく、今後さらに低下することが予想されます」
実際、韓国民が朴槿恵大統領に向ける視線は厳しく「MERS対応も失敗し、妹の管理もできない」、「妹が親日なら姉も親日ではないのか」など批判が飛び交っている。
今回のインタビュー取材について、韓国最大のニュース専門チャンネルYTNの取材に対して槿令氏は、
「戦後70年と日韓国交正常化50周年にあたり、日本側から要請があった。日韓国交正常化を推進した朴正熙・元大統領の娘であるとのことを理由に、夫(韓国・共和党総裁で政治活動家のシン・ドンウク氏)を通じて取材依頼があった」
と述べている。前述の放送でインタビュアーを務めたジャーナリストの津田大介氏はこう語る。
「日韓問題を検証する企画の一環として彼女にオファーしました。槿令氏は作曲家としての文化交流を通じて日本とも親交が深く、そうした縁があったため、インタビューが実現しました」
※週刊ポスト2015年8月21・28日号