だが、王者のカゴメといえども、トップシェアを永続できる保証はない。
伊藤園がトマトの「甘み」と「酸味」の絶妙バランスで仕上げた『理想のトマト』を出したり、キッコーマン傘下のデルモンテも『国産 旬にしぼったトマトジュース』でカゴメに対抗するなど、この時期はトマトジュースの競合がひしめいている。その他、キリンビバレッジ、生協、ヤクルト、大手小売店のPB商品……など消費者の選択肢は多い。
飲料総研によれば、今年の1~6月はカゴメの最大のライバルともいえる伊藤園のトマトジュースの売れ行きが良く、出荷数量はカゴメに肉薄しているという。さらに、ライバルはトマトジュース同士とは限らない。
「野菜ジュースの類は日本人の健康志向に訴え、日々飲んでもらう“習慣化”を促すことで継続的な売れ行きを保ってきましたが、いまはコンビニコーヒーの台頭により、朝の飲料需要も奪われています。
トマトが最も新鮮で美味しい夏場にいかに固定ファンを繋ぎ止め、新たな需要を掘り起こすことができるかで、年間の勝負は決まってしまうといっても過言ではありません」(宮下氏)
さて、今年の「トマトジュース夏の陣」を制するのはどのブランドか。