栃木ネタでブレイクした2人は高校の同級生


益子:1997年とかで、まだフリーでやってた頃なんです。

福田:キッドさんの主催の『浅草お兄さん会』っていうライブで、浅草キッドさんが直々にネタを見てくれる機会があったんです。たまたま『AJAPA』ってお笑い雑誌を見ていて、3行広告みたいに小さく「キッドが直々に見るネタ見せ」とか書いてあるのを見つけたんです。ぼくの手柄はかなりデカいです(笑い)。

――しっかりアドバイスを受け止めたんですね。

福田:そうですね。あと、以前やっていた深夜番組『虎の門』(テレビ朝日系)の偉い方が、ぼくらの漫才を見て言ってくれ言葉にも、影響を受けました。当時、持ち時間が4分のなかで、栃木の濃いネタを1分やって、あとの3分で平たい田舎ネタをやったんです。

その方に、「栃木ネタだけで4分できないのか」と言われて、それをきっかけにやるようになったら、メディアによく出られるようになったんです。その年(2008年)の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)では決勝までいきましたからね。

――濃いネタというのは、どういうもの?

益子:栃木と比較して茨城の悪口を言うとかですね。より栃木を引き立たせるような。たとえば、「栃木の中禅寺湖で増えすぎたブラックバスは、茨城の霞ヶ浦に捨てちゃえ」とか。「日光で増えた猿は、掴まえて筑波山に投げちゃえ」とか。そういうのは今でもやってますね。

――芸人の先輩からアドバイスをもらうこともありますか?

福田:以前、マキタスポーツさんに、「普段の私生活の服から綺麗なものを着なきゃ、売れねえぞ」って言われたんです。ぼくなりのおしゃれをしていたつもりだったんですけどね(苦笑)。

益子:当時の福田はGパンにアロハシャツで、汚くないんですけど、そのGパンはおしゃれな色落ちした感じのもので。

福田:当時マキタさんと一緒に営業に行ったんです。バーみたいなところで2組でネタをやって、終わってから閉店時間ぎりぎりまで、マキタさんと飲んでたんですよ。「このまま帰るわ」って言うマキタさんは、永ちゃん風の銀色のバリバリのラメのシャツを着て、それで田園都市線に2人で乗って帰ったんです。すごく恥ずかしかったですよ(笑い)。

益子:マキタさんも気をつけないと、風貌がオッサンになっちゃうんで(笑い)。おしゃれはおしゃれだと思うんですけど。

福田:あとは、東京ダイナマイトのハチミツ二郎さんに、トリは取ったほうがいいよと言われたのは覚えていますね。トリって、ちゃんと締められないと格好悪いじゃないですか。滑られないというか、重圧があるんですよね。

益子:順番はイベンターさんとかライブ主催者が決めるから、信頼されてないと、トリにしてくれないですからね。ライブに行って、今日はトリかというときは、期待されてるのかな、頑張らなきゃなと思います。

福田:ぼくら結構、「トリか、やべーな、どうすっか」ってタイプなんです。だけどそこを好意的にとらえて、トリだからありがたい、より頑張らなきゃって思うようにしました。

――芸能活動のなかで、つらかったことはありますか?

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