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メガバンク 採用試験と入行後の出世で共に英語の重要性上昇

 銀行の業績は景気の先行指標といわれるだけに注目が集まるが、実際の銀行業務について知る機会は限られている。『半沢直樹』(TBS系)や『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)など、最近は銀行を舞台にしたドラマのヒット作が続くが、実在する各行の内情はどうなっているのか。

 それを探るべく開催した経済記者座談会の出席者は40代の大手紙経済部記者のA氏、40代の経済誌記者B氏、30代の若手業界紙記者C氏、長く銀行業界を取材してきた50代のベテラン経済ジャーナリストD氏の4人。最近の話題は一体何か。

A:「直近の話題といえば、8月に後ろ倒しされた新卒の採用試験がいよいよ佳境を迎えていることですね」

C:「緑(三井住友銀行)は伝統的にリクルーター制をとっていて、例年、行員が大学の後輩たちに個別に対応している。それが実質的な採用につながっているわけですが、行員たちは交代で土日に休日出勤して対応しているから、かなり大変そうです」

B:「内定を蹴られたりしたらメンツ丸潰れだからどこも必死。赤(三菱東京UFJ銀行)は学生を引き止めるために、面接の際に『トップにしか見えない世界を見たくないかい』といって誘っているとか(笑い)。最近は『銀行はキツい』って学生も認識しているからな。青(みずほ銀行)には『死の支店』と呼ばれる支店が都内にある。一昨年に配属された3人は、2人が辞めて、1人は休職してしまったらしい」

A:「かつて青には『宝くじを売る』という若手のノルマもありました。今はそれが『NISAの口座開設』になっているそうです」

B:「今と昔で違うのは、採用試験でも入行後の出世においても、英語の重要性が増していることですね」

D:「トップになるためには海外経験は必須。ロスやニューヨークなど米国がメインストリームだけど、緑はなぜかバンコク支店が出世コース。邦銀の中で最初にバンコクに拠点を作ったのが三井銀行で、タイ王室の覚えもめでたい。三井住友銀行の北山禎介・取締役会長(68)もバンコク支店長経験者だしね」

A:「今の銀行界最大の話題は、なんといってもゆうちょ銀行の上場でしょう」

──日本郵政と傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社が6月30日に上場申請を行ない、11月上旬の上場が予定される。

C「どのメガバンクも、ゆうちょ銀行の上場そのものは意に介さずって感じです。ただし、ある銀行幹部は『国がゆうちょを儲けさせるために、都合のいい規制緩和をするんじゃないか』と心配していた。これからも要注目の案件ですね」

※週刊ポスト2015年9月11日号

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