内山:それは中学生になってからです。他の司会者の番組に出た時とか、振りかたが全然違ったり。サッカーでいえば、ゴール直前までさんまさんがボールを持ってきてくれて、ぼくらはポンと蹴るだけだったんです。でも他の番組で、自分でボールを取りに行かなきゃいけないときに、さんまさんってすごいんだって。
あとは20才を過ぎてから、自分が子供と絡んだ時に、あの人すごかったんだって。子供って難しいんですよ。打ち合わせで話していたことも、本番では話せないとか、違うこと言ってみたり、いろいろあって難しいなって。それを、十何人の子供をまとめて、個性を最大限まで引き出すって、改めてすごいんだなって。
――トークやボケ、ツッコミを教わったそうですね。
内山:楽屋に呼ばれて「こうだ」ではなくて、本番中に教えてくれるんです。『あっぱれ』はお笑い芸人養成所みたいなところだと思ってます。視聴者も含めた公開授業です。今でもさんまさんは、芸人さんへのダメ出しは番組中に言うじゃないですか。だから知らない間に、見ている人たちもどんどんレベルが上がっているんですよ。さんまさんの影響だと思います。
たとえば、ぼくが子供の頃に“天丼”を知ってる一般の人が何人いたか。天丼って被せる事ですね、同じ言葉を2回繰り返すボケのことですけど。“噛む”も実は、業界用語なんですよ。それから“ツェーマン”は業界用語で1万円って意味なんですけど。こういう言葉を、さんまさんが定着させたんじゃないかって思います。
――最後に、将来の夢があったら教えてください。
内山:次に自分の冠番組を持てたら、さんまさんを第1回目のゲストで呼びたいんです。それ以外の恩返しの方法はないですよね。ずっと先生ですもん。
【内山信二】
1981年9月25日生まれ。東京出身。6才で『あっぱれさんま大先生』(フジテレビ系)に出演し、人気を博す。 7年4か月の長期間レギュラーを経て、お笑いタレントになる。伊集院光、石塚英彦、松村邦洋らとともに”デブタレ四天王”と呼ばれる。バラエティー番組をはじめ、テレビ、CMなどで活躍中。
撮影■林紘輝