1997年度には、1993年度以降ベスト10内の常連だった健康食品販売業の斎藤一人がトップに立った(同33億2432万円)。母親が始めた漢方薬販売を手伝い、現在の『銀座まるかん』を設立し、商品企画からネーミング、パッケージデザインまで自分で手掛け、大ヒットしたダイエット商品『スリムドカン』などを開発。健康食品や化粧品を手広く商い、事業を拡大した人物だ。また、「節税は一切しない」という主義だった。
1998年度は再び消費者金融の創業者がトップを飾った。浜田武雄・元レイク会長である。また同年には、藤田田・日本マクドナルド社長が4位(同13億5392万円)と、初めてベスト10入りを果たした。
「1971年にハンバーガーショップの米国マクドナルドと共同出資で日本マクドナルドを設立し、銀座に1号店をオープン。その後も『平日半額セール』など新戦略を展開して“価格破壊”を引き起こし、日本マクドナルドを外食業界でトップクラスに育て上げたカリスマ経営者でした」(経済ジャーナリスト・福田俊之氏)
1999年度は、この当時にパチスロ機で約50%のシェアを誇った岡田和生・アルゼ社長がトップとなり(同25億3711万円)、消費者金融とパチンコ機器メーカーの創業者が長者番付の上位を賑わした1990年代の掉尾を飾った。
(文中敬称略)
※週刊ポスト2015年9月25日・10月2日号