モテ車を解説する「週刊ポスト」連載の「死ぬまで カーマニア宣言!」。今回は、生まれ変わった英国車、ジャガーが超お得に買えるという極秘情報を、これまでにクルマを40台買ってきたフリーライター・清水草一氏(53)が解説する。
* * *
ご同輩諸君。栄枯盛衰は世の習いと言うが、イギリスの名門・ジャガーの命運は実にドラマチックだ。なにしろ、かつて英国が植民地にしていたインドの財閥に買われてしまったのだから。
現在のジャガーは実に素晴らしい。以前の古典的なジャガーから一転して、とてつもなくアバンギャルドでアーティスティックなクルマ作りをしている。インドの香りもしない。
ジャガーは1989年から2008年まで米フォード傘下にあり、一部アメリカ的なクルマ作りを強いられていた。ところが新しい親会社のタタ・モータースは、ジャガーのクルマ作りに一切口を出さず、好きなようにやらせる素晴らしいパトロンなのだ。かつての植民地だからこそ逆に、英国の名門ブランドをリスペクトしているのだろう。
その象徴は、5年前に発売されたフラッグシップセダンの新型XJだ。これまでのジャガーとは似ても似つかない美しい軟体動物のようなフォルムは、美女をメロメロにしそうな高級オーラに満ちている。ベンツのような威圧感ではなく、知性や感性で美女を押し倒してしまえそうだ。
が、さすがにXJは高い。最安グレードでも1000万円する。しかし先日発売されたミディアムサイズのXEは477万円台から。レクサスの一番小さいセダン、ISとほぼ同じ価格帯だ。レクサスとジャガー、どっちが美女にウケるかといえば、やはりジャガーではないだろうか?