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脳卒中死亡率で東北3県が上位を独占 塩分多い食習慣も原因

 日本人の3大死因はがん、脳卒中、急性心筋梗塞。脳卒中に代表される脳血管疾患死亡率のワースト3は東北3県が独占する結果だ。

 厚労省が5年ごとに公表する最新(2010年)の都道府県別年齢調整死亡率(年齢分布の偏りを調整した人口10万人当たりの死亡率)の、男性に限った脳卒中の死亡者数ランキングは、岩手県が70.1人でワースト1位。全国平均の49.5人を大きく上回る。2位は青森県の67.1人、3位は秋田県の65.7人となっている。岩手県内の医療法人・日新堂「八角病院」脳神経外科医の樋口紘氏が話す。

「高血圧の男性が多いのが理由ですが、その背景にあるのは岩手特有の食生活です。各市町村にそれぞれ“名物”が存在するほど、塩分を多分に含んだ漬物が県民食になっている。WHO(世界保健機関)が定める1日の食塩摂取目標は5グラムですが、岩手の男性は12.9グラム。塩分を過剰摂取しているのです」

 塩分を多く摂り過ぎると高血圧に繋がり、さらには動脈硬化を誘発する。脆くなった脳の血管は裂ければ脳出血、詰まれば脳梗塞を引き起こす。脳血管疾患をもたらす高血圧の原因の9割は、塩分の過剰摂取とされる。

「県内でも海側で温暖な気候の陸前高田などの周辺地域では、脳卒中の発症率が内陸部と比べて低い。同地域の県民は漬物を食べる量が少ない代わりに、魚類や海藻をよく食べる。一方の内陸部は漬物の消費が多く、脳卒中を発症する率も高い。さらに岩手のような寒さの厳しい地では、血管が収縮し血圧変動も激しくなりがちです」(樋口氏)

 食生活や気候が全国ワーストに大きく影響しているというのだ。

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