国内

山口組除籍の元組長が自殺 裏切り者と罵られ気に病んでいた

 山口組の分裂騒動についてマスコミの多くは、山口組と神戸山口組両陣営のトップである司忍組長と井上邦雄組長をクローズアップして分裂劇を報じている。だが一方で、抗争の当事者となる中堅組長や末端組員たちの声が、届くことはない。そんななか、ある組長の声なき悲鳴が轟いた──。フリーライターの鈴木智彦氏がレポートする。

 * * *
 10月26日、長野県飯田市の組員銃殺事件に続き、山口組分裂で2人目の犠牲者が出た。

「死体が見つかった! 殺しかどうかわからん」

 山口組は一気に色めき立ったが、ネットを当たると既に報道されていた。暴力団筋の伝達スピードが遅かったのには理由がある。事件ではなく自殺だったのである。

 通報した男性が大阪・浪速区のマンションにある暴力団事務所を訪れたのは、午後0時20分頃だったという。寝室として使っていた和室に入ると、布団を敷き、寝間着姿の元倉本組三代目・河内(本名は川地)敏之組長が倒れていた。胸に銃創があり病院に運ばれたが、すでに心肺停止状態だった。右手近くにリボルバーの拳銃が落ちており、争った形跡はなかった。

 河内元組長は、10月半ば、山口組を除籍になったばかりだった。三代目倉本組は奈良市に本部を置く山口組の実力派組織(二次団体)で、いわゆる直参組長である。山口組分裂後は定例会を病欠しており、本部には代理を出席させていた。実際、体調は悪かったらしい。

 もともと倉本組の初代は、今回、山口組を離脱した宅見組の出身である。河内元組長自身も宅見組・入江禎組長に恩義があったという。

「自分が組長になれたのは入江さんのおかげだと、なにかにつけて話していた。ハートのある人で、義理堅い性格だった。入江さんからは、神戸に来ないかと再三誘いをうけていたと聞く」(山口組直参組長)

 出るか、それとも留まるか……山口組にすれば、これ以上、二次団体単位で移籍されてはたまらない。結果、河内元組長は除籍となったが神戸側に移ることなく身を引き、倉本組自体は山口組にとどまることで、形としては円満に山口組を辞めた。だとすれば自殺する必要はないようにみえる。山口組関係者がいう。

関連記事

トピックス

破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン