国内

わいせつか芸術か議論の春画 意外に知られてない基本を解説

 春画を主体とした日本初の展覧会『SHUNGA 春画展』(永青文庫)が押すな押すなの大盛況だ。会場には連日多くの女性がつめかけ、男女の性を大らかに描いた約60点の作品に目を奪われている。本誌が訪れた日の来場者の男女比は4:6で女性が多く、外国人の姿も多く見られた。

 空前のブームは思わぬ余波を生んだ。春画展に合わせてグラビアで春画を掲載した週刊誌4誌に警視庁が口頭で指導を行ったのだ。そもそも、春画とはなんなのか。春画の基本の「き」を、『春画入門』著者の車浮代さんに聞いた。

 * * *
 春画のもともとは、中国渡来の房中術を描いた彩色画でしたが、江戸時代に日本の絵師たちがこれをまねて、やがて木版画でも摺られるようになりました。単なるエロ本ではなく、職人の技術が詰まった芸術品です。

 葛飾北斎、喜多川歌麿など当代一流の絵師が腕を競って制作しました。当時は、“春画の依頼をされてこそ一流の絵師”とされたほどです。

 表向けに売られていた浮世絵は『かけそば一杯ほど』とされます。今の値段で500円~1200円ほど。秘密裏に売られていた春画はその10倍以上しました。現在、残っている春画には何千万円もの値がつくものもあります。

 春画は、大名から庶民まで幅広く人気でした。男女の和合は子孫繁栄につながり、めでたいことだったので、嫁入り道具に春画を持たせることも。縁起物のため、戦場に赴く武士が戦勝祈願で鎧櫃に入れることもあった。厄除けとしても人気でした。

 局部が大きいのも春画の特徴で、めでたいことを際立たせるため、デフォルメして局部を大きく描いたのです。また、春画は「笑い絵」とも呼ばれ、人を楽しませる目的もあった。面白さを強調させるため、わざと局部を巨大化しました。

※女性セブン2015年11月12日号

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン