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2015.11.05 16:00  週刊ポスト

経営者が古巣から訴えられたケース 結末は悲哀に満ちている

 東芝の不正会計問題は、東芝が、西田厚聡氏、佐々木則夫氏、田中久雄氏ら歴代3社長を含む旧経営陣を相手取り損害賠償請求訴訟を起こす方向で推移している。会社を引っ張ってきた経営者が、古巣から訴えられたケースはこの件と同様に過去いくつかあるが、その結末はどれも悲哀に満ちている。
 
 2005年6月、化粧品大手販売会社のカネボウは、巨額の粉飾決算が発覚し、上場廃止に追い込まれた。
 
 2003年9月中間決算で629億円の債務超過に陥ったカネボウは2004年、産業再生機構に支援を要請。ほどなく過去5年間で2156億円(連結純利益)にのぼる粉飾決算が行なわれていたことが発覚した。
 
 カネボウが「回収の見込みがない子会社への支援によって会社に損害を与えた」として、帆足隆・元社長と副社長の2人に計10億円の損害賠償を求めて提訴したのは2005年6月(2009年、カネボウ側の上告棄却)。
 
 後に、帆足氏ら旧経営陣は証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で刑事責任も問われ、有罪が確定する。その公判中、帆足氏は「責任は私を含めて歴代の全社長にある」と語り、粉飾に加担した理由について「破産して従業員や家族、株主に迷惑をかけるわけにはいかない。やむを得ないと思わないが、どうしようもなかった」と述べた。
 
 経済ジャーナリストの松崎隆司氏は同情的な見解を示す。
 
「明治創業のカネボウでは代々、繊維部門が社の本流で、帆足さんを出した化粧品部門は稼ぎ頭であったものの、社内では“傍流”扱いでした。そんな歪な社内風土を改善するため、帆足さんは社長に就任すると、客観的な人事評価制度を導入するなど構造改革に着手した。そうした中で生じた軋轢が、後に訴訟を提起される遠因にあったとされる」
 
 刑事事件では有罪となったが、会社からの損害賠償請求が上告で棄却されたことで、わだかまりが多少は薄れたかもしれない。

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