野村:局から外国人を使った企画を考えてほしいと依頼があり、放送作家と一緒に考えました。といってもほんの5分程度の会話なんですが、その時ヒントになったのは、私も番組作りに参加していたテレビ東京の『日曜ビッグバラエティ 望郷列車』という番組です。
帰省シーズン中、上野駅で声を掛けた人たちに、故郷はどこか、誰が待っているか、実家で待っている人は誰かということをインタビューして、許可がもらえれば実家までお邪魔させてもらう。これを成田空港で外国人相手にやってみたら面白いんじゃないかと思って企画書を作って、村上徹夫プロデューサーに見せたら表紙だけで「面白いですね」と言ってくれました。
――異色のバラエティー番組は、これまでドキュメンタリーを中心に作ってこられた野村さんだからこそ生まれたというわけですね。
野村:『YOUは何しに日本へ?』もドキュメンタリーだと思っています。ほとんどの人がバラエティー番組だという認識ですが、「ドキュメンタリー番組である」ということだけはしつこく言い続けようと思います(笑い)。
私がドキュメンタリーにこだわるのは、取材をする中でいろんなことが発見できるからです。この番組のテーマは日本再発見。海の向こうからネジ一本を買いに来たという人、トマト栽培を勉強しに来たという人。こっちが「へぇ、そんなことで日本に来たのか」と思えるような人たちをたくさん見つけたいですね。YOUから「日本に来るのが一生の夢だった」と言われるとすごく嬉しい。でも、あまり褒められたくないというところもちょっとあって、それよりも彼らが純粋に日本を楽しんでいる様子をお届けするように心がけています。
――今後の目標をお聞かせ下さい。
野村:100回というのは通過点。とはいえ、子供の成長を見るような、感慨深いものがありました。よく育ったなという一方で、もっと立派な大人にしたいと思っています。目標としては東京五輪まではやりたい。オリンピック選手のYOUに付いて行きたいですね。
◇『YOUは何しに日本へ?』
日本の空港で、来日したばかりの外国人に「YOUは何しに日本へ?」と質問。それに答える様子を紹介し、ユニークな返答をした人に密着取材する。毎回、予想外のハプニングが繰り広げられ人気を呼んでいる。スタジオでの司会は、バナナマン。今年9月、放送100回を達成した。11月16日の放送では、新撰組が大好きで、会津若松にある斎藤一のお墓まいりに行くというオランダ人女性に密着する。また、11月23日には、2時間スペシャルを放送。毎週月曜夜6時57分~。