その頃に給与がグンとアップし、金銭感覚が麻痺するドクターも少なくない。基本的にモテモテなドクターたちは年収がアップした頃に結婚することが多い。一番多い組み合わせは医師同士、次いで医師と看護師などコメディカル、一般女性と結婚するのはその次だというが、「ブランドとしての医者」を狙い撃ちした妻の金づかいの粗さに苦労している男性医師は想像以上によくいるそうだ。
自身や配偶者のセレブな生活を維持するため、そうしたドクターたちは研究日や休日になるべく効率よく稼げるアルバイトを入れる。医師のバイト代の相場は、時給1万円だ。日勤+当直の「日当直」バイトは15万円~20万円出る。それを月1回入れるだけでも年収は200万円以上プラスされる。ただし、勤務医のたいていはふだんの仕事もハードだ。そこにバイトの負荷か加わって、疲弊していくドクターも方々にいる。
医師はマスメディアでも何かと注目されることが多くなった。バラエティ番組でよくみかけるタレントのような医師も増えている。
『総合診療医ドクターG』(NHK総合)、『ためしてガッテン』(NHK総合)、『きょうの健康』(NHKEテレ)、『駆け込みドクター!運命を変える健康診断』(TBS)『たけしの健康エンターテインメント! みんなの家庭の医学』(テレビ朝日)、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京)など、医療情報番組はひっきりなしに放送されている。
この秋は、『デザイナーベイビー』(NHK総合)、『破裂』(NHK総合)、『コウノドリ』(TBS)、『無痛』(フジテレビ)と医療ドラマもたくさんあった。
受験界でも一般世間からも注目され、人気を集めているドクター。だが、その悩める等身大の姿は知られていない。
そこで、医学部合格だけがゴールではない、そこから先が問題なのだというコンセプトで、医師専任キャリアコンサルトが著者の『医師・医学部のウラとオモテ「悩めるドクター」が急増する理由』という書籍を企画・編集協力して作った。医学部受験生やその保護者、教育関係者には実用書として役に立ち、医療問題に関心のある人には網羅された「業界の常識」が参考になるはず。一読してもらえたら幸いだ。