ビジネス

可燃ごみのプラスチック 焼却炉発電ではカロリー高いと歓迎

 業界紙、専門誌の知られざる世界をあなたに。今回は“環境保全と再資源化への提言誌”を紹介します。

『月刊廃棄物』

創刊:1975年
刊行ペース:毎月1日発行
部数:2万8000部
読者層:地方自治体、中央省庁、廃棄物処理業者ほか
定価:1810円(送料別)
購入方法:発行元・日報ビジネスへ直接申し込み

 埋め立て地、分別、ダイオキシン、産業廃棄物の不法投棄、リサイクル、エコバッグ…。ごみをめぐる言葉はいつでも時代を反映してきたが、2015年のキーワードは何か。編集部の新倉充課長(48才)は「“不用品回収”と“遺品整理”でしょう」と即座に答えた。

 月刊廃棄物では『不用品回収・遺品整理と法令遵守』と銘打った大特集を組み、大きな反響を呼んだ。

 超高齢化社会に入り、遺品整理業は“今後20年は確実に収益を上げ続けることができる業種”だそうだが、課題も多い。

「家の中で仕分けをする遺品整理は、誰がしてもいいんですが、それをごみ処理場まで運ぶのは法律上、市町村か市町村から委託を受けた者、または、“一般廃棄物収集運搬業”の許可を得た者でなければなりません。しかし郵便ポストに“遺品整理”をうたうチラシを投げ込んでいる業者の多くは無許可です。不法投棄したり、後から不当に高額な料金を請求する業者も少なくありません」

 遺品も含めた家庭から出るごみは“一般廃棄物”として、各市町村が責任をもって処理することになっているが、「役所が許可を与えた業者が少しでもおかしなことをすると厳しい指導が入るが、無許可の業者は野放し」が現状だ。

 耳を疑うような遺品整理の現実を記事は伝える。

〈ご遺族の意向を受けて供養する目的で寺院や神社に運んで、お焚き上げやお祓いなどの宗教的な儀式を行う場合には、その供養する特定の遺品については、廃棄物処理法上の廃棄物には該当しないため、(中略)遺品を供養する目的といいながら、許可なく遺品を運搬し、実際には廃棄物として処理している業者が…〉

 お焚き上げの対象にならないものまで、燃やしてしまう罰当たりがいるという。

 一部の悪徳業者は、離れて暮らしている子世代が、遺品整理に多くの時間を割けないことをいいことに、勝手に遺品を売ってしまったり、たんすの中の現金をくすねたりとやりたい放題なのだ。

 私たちに自衛手段はないのか。業者に依頼するときの注意点は?

「どんなに忙しくても、『全部お任せします』とは言わないこと。そしてタウンページなどで実在を確認して、遺品整理の民間資格を受けている業者を選ぶことです。悪徳業者を放置すると、これからものすごい量の遺品が、目に余る処分のされ方をするのは確実です。一日も早い法の整備が待たれますね」

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン